コント・ラフォン
ドメーヌ・コント・ラフォン (Domaine des Comtes Lafon) は、ムルソー村に拠点を置く世界的に名高いワイン生産者です。世界のワイン愛好家や評論家から絶賛されており、ムルソーにおける最高峰の存在として知られています。
ドメーヌ・コント・ラフォンの歴史は、1865年に遡ります。この年、ムルソーの地でラフォン家がブドウ畑を購入したことで、その歩みが始まりました。しかし、現在の名声を築いたのは20世紀初頭のことです。コント (伯爵) ジュール・ラフォンが、ドメーヌを形作る数々の名高い畑を手に入れ、ムルソーの地におけるシャルドネの品質基準を大きく引き上げました。
その後、ドメーヌは代々家族経営を続け、1984年に現在のオーナーであるドミニク・ラフォン (Dominique Lafon) が経営を引き継ぎました。ドミニクの時代にドメーヌはさらなる飛躍を遂げ、ムルソーを中心とした白ワインの卓越した品質が確立されるとともに、赤ワインの評価も高められました。
コント・ラフォンの真髄は、その類まれな畑のポートフォリオにあります。ムルソー村を中心に、特級畑(グラン・クリュ)から1級畑(プルミエ・クリュ)、そして村名畑まで、ドメーヌはブルゴーニュにおける最良の区画を所有しています。
主な畑
ムルソー 1er ブシェール (Meursault 1er Cru Bouchères)
柔らかくエレガントで、白い花や熟した果実の香りが特徴の1級畑。
ムルソー 1er シャルム (Meursault 1er Cru Charmes)
ムルソーの代表的な1級畑の一つで、豊かな果実味とクリーミーな質感を備えています。
ムルソー 1er ジュヌヴリエール (Meursault 1er Cru Genevrières)
フローラルで複雑、そして非常にエレガントな味わいが特徴。ムルソーの1級畑の中でも特に評価の高い区画です。
ムルソー 1er ペリエール (Meursault 1er Cru Perrières)
コント・ラフォンのフラッグシップといえる1級畑で、圧倒的なミネラル感と長期熟成能力を持っています。
モンラッシェ (Montrachet)
世界最高峰の白ワインを生むグラン・クリュ。コント・ラフォンが所有する区画は極めて小規模ですが、そのワインは驚くべき複雑さと優雅さを備えています。
ヴォルネイ 1er シャンパン (Volnay 1er Cru Champans)
果実味が豊かで、しなやかなタンニンを持つ赤ワイン。女性的な印象があるエレガントな1級畑。
ヴォルネイ 1er クロ・デ・シェーヌ (Volnay 1er Cru Clos des Chênes)
構造がしっかりとしており、より力強く男性的な印象の赤ワインを生む区画。
ドミニク・ラフォンの代で有機農法が導入され、その後ビオディナミ農法へと移行しました。この方法により、土壌とブドウ樹の健康を保ちながら、ワインに自然な力強さを与えています。白ワインは約18ヶ月間フレンチオーク樽で熟成され、そのうち新樽の割合は20~30%程度。赤ワインも同様に樽で熟成され、フレーバーのバランスを保っています。
コント・ラフォンの白ワインは、ムルソーらしいリッチさとミネラル感、そして緻密な酸が特徴です。各畑の個性が明確に表現されており、若いうちは華やかな果実味を楽しめますが、熟成を経ることでさらに複雑なアロマと深い味わいが現れます。
赤ワインも忘れてはならない存在です。ヴォルネイを中心に造られる赤ワインは、洗練されたタンニンとエレガントな果実味を持ち、飲みやすさと熟成能力を兼ね備えています。
特にムルソーの1級畑やグラン・クリュ「モンラッシェ」はコレクターズアイテムとなっており、世界中のオークションやワインショップで高額取引されることが一般的です。
ドメーヌ・コント・ラフォンは、ムルソーの伝統と革新の象徴ともいえるワイナリーです。特に白ワインの品質は他に類を見ないもので、シャルドネの究極形ともいえるエレガンスと力強さを体現しています。ドメーヌの取り組むビオディナミ農法や、細部までこだわり抜いたワイン造りは、テロワールの魅力を余すことなく引き出しており、ブルゴーニュワインの真髄を味わえる一杯を提供します。
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